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品質管理に効くPDCAサイクルの正しい回し方とは?

品質管理に効くPDCAサイクルの正しい回し方とは?

 品質管理において継続的にPDCAサイクルを回すことは、手洗い不徹底や生肉などの加熱不足といった食品安全トラブルを未然に防ぎ、商品の安全品質を向上させる働きがあります。

 本コラムでは、PDCAとは?からPDCAを回すコツや具体例を説明します

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1.品質とは何か?飲食業における定義

 品質とは、製品やサービスが持つ特性が、顧客の要求や期待、または定められた基準をどの程度満たしているかを示すものです。飲食店における「品質」とは、‟単に料理がおいしい”ことだけではありません。料理・サービス・空間・価格価値・安全性すべての総合体験が品質です。

飲食店の品質は主に次の5つで構成されます。

①商品品質

料理やドリンクの味、香り、温度、盛付、食材の鮮度、提供のスピード、メニューの安定性(いつ来ても同じ味)

②サービス品質

接客態度や、言葉遣い、気配り、クレーム対応、スタッフの一体感

③環境品質

清潔感、BGM・照明、室温管理、席の快適さ

④価値品質(コスパ)

価格に対する満足度、期待との一致度

⑤安全品質

食品衛生、異物混入防止、衛生管理マニュアル遵守、アレルゲン管理

これらが飲食業における品質の定義になります。

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このコラムでは⑤安全品質について話を掘り下げてみます。

 

2.飲食業で発生しやすい安全品質トラブルの例

 発生しやすい安全品質のトラブル例をあげると、手洗い不徹底、鶏肉やハンバーグ等の加熱不足、調理器具からの二次汚染による食中毒の発生。毛髪、金属片、プラスチック片などの異物混入。日付管理不徹底、先入れ先出しの未実施による賞味期限切れ・腐敗食材の使用。冷蔵庫温度上昇や作り置きの常温放置による温度管理不備。メニューや販促物の表示間違い、調理器具の使いまわしによるアレルゲンのコンタミネーションなどがあります。

 

3.PDCAサイクルで品質を改善する方法

(1)PDCAとは?4ステップの基本構造

PDCAとは、以下の4つのステップを基本構造とした継続的管理のための管理手法です。

ステップ1 P(Plan)計画・・・・ 目標設定と問題分析

ステップ2 D(Do)実行・・・・・計画を実行

ステップ3 C(Check)評価・・・ 実行結果をもとに計画を測定・分析

ステップ4 A(Act)改善・・・・・改善策を実施し標準化

 
これを継続的に回すことで、安全品質が向上します。

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(2)飲食店でのPDCA活用例

先にあげた飲食業で発生しやすい安全品質トラブル例のなかから、PDCAサイクルの活用例を考えてみます。

衛生チェックのPDCAと活かすコツ

トラブル例:手洗い不徹底による食中毒リスク。

P(Plan)計画では、手洗いマニュアルを作成し、出勤時やトイレ後、生肉を触った後など手洗いタイミングを明確化します。

D(Do)実行として、適切なタイミングで、手洗いマニュアルに沿った手洗いを実施します。

C(Check)評価として、店長や責任者がマニュアル通りの手順や、適切なタイミングでの手洗いができているかを1日 2回チェックします。そして、チェックした内容を記録します。

A(Act)改善として、マニュアル通りの手順やタイミングでの実施率が低ければ再教育をおこない、手洗い時に手洗い場が使いにくいなど、動線に原因があり実施率が低ければ、手洗い場の動線改善も有効な方法となります。

これらをサイクルとして継続して回し安全品質を向上させます。


このサイクルを活かすコツは、チェック表などを用いて「見える化」し実施率〇%と「数値化」することや、責任者を決めて確認を行ない計画した対策がうまく機能していない場合にはさらに改善をしていくことです。

関連コラム:手洗いの重要性

手洗いはなぜ大切なのでしょうか。子供のころから当たり前のように手洗いをおこなっていますが、単なる習慣ではなく感染症を防ぎ、自分自身はもちろん周りの人々の健康を守るためにも不可欠な行為です。

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食材管理のPDCAと活かすコツ

トラブル例:先入れ先出しの未実施による賞味期限切れ・腐敗食材の使用。

P(Plan)計画として、先入れ先出しのルールや開封日・仕込日・使用期限ラベルの貼付ルールを定め設定します。

D(Do)実行として、定められた先入れ先出しのルールや開封日・仕込日・使用期限ラベルの貼付ルールに沿って食材を管理します。

C(Check)評価として、毎日開店前・閉店後などに期限ラベルが正しく運用されているかをチェックし記録します。

A(Act)改善として、習慣化できていないことや、食材の整理整頓不備があり、期限ラベルの運用がうまくいっていない場合には再教育や、あるべき食材の保管状態を写真掲示(見える化)します。

これらをサイクルとして継続して回し安全品質を向上させます。


このサイクルを活かすコツは毎日同じ時間、同じタイミングで確認をおこない記録を残し、写真などを用いて適切な保管状態を共有できるようにすることです。

 

4.PDCAによる品質管理の事例

 PDCAサイクルは業態や規模によって回し方やスピード感が異なります。
飲食チェーンと小規模カフェについてPDCAによる品質管理の事例を紹介します。

(1)飲食チェーンにおける改善活動例

多店舗展開の会社の例になります。
PDCAの実践例として「オペレーション標準化による品質の安定」の改善サイクルになります。

P(Plan)計画として、共通のマニュアルを作成し、加熱時間、保温時間、盛付基準を数値化しQSC(Quality,Service,Cleanliness)基準を明確化しました。

D(Do)実行として、全スタッフへのトレーニング、キッチン動線の確認、タイマー管理を導入しました。

C(Check)評価としてミステリーショッパー制度を導入し、定期的な本部と第三者による店舗監査(QSCチェック) を実施し、お客様からのクレーム分析をしました。

A(Act)改善として調理工程を見直し、マニュアルの改訂をおこないました。また、新機器を導入(自動化)しました。

これらをPDCAサイクルとして継続し、どの店舗でも味と品質を均一化することができ、オペレーション時間を短縮することができ、生産性があがり、またお客様からのクレーム率も低下する成果を得る事ができました。

(2)小規模カフェにおける改善活動例

個人経営の地域密着型カフェの例になります。
PDCAの例として「簡易HACCP導入による食品安全向上」の改善サイクルになります。

P(Plan)計画として、保健所指導に基づく衛生計画書を作成し、冷蔵庫・冷凍庫の温度基準を設定し、消費期限管理ルールを明文化しました。

D(Do)実行として、冷凍庫・冷蔵庫の温度チェックや食材期限チェックの記録を実施しました。

C(Check)評価として週1回、記録を見直し、温度逸脱時や期限超過時の記録内容を確認しました。

A(Act)改善として閉店時に日々の記録漏れの確認を実施することや食材期限一覧表の作成をおこないました。

これらをPDCAサイクルとして継続し、保健所監査で高評価を得て、食品衛生レベルを高める事ができました。


このように飲食チェーンと小規模カフェのように業態や規模は違いますが、双方ともに改善活動の成功事例となります。

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5.まとめ PDCAで品質を守り続けるために

 PDCAで品質を守り続ける為には安全品質を維持するための明確な基準を設定し、決めた基準をチェックシートなどで日々実行し、実行結果を確認し問題を抽出します。そして、その問題の原因に対する改善策を考え、さらに新しいルールとして設定していきます。この手順を繰り返すことで品質を守り続けていきます。

そして安全・品質を維持するPDCAの仕組みは「個人」でなく「全員」で継続的に回すことが重要となります。

個人でPDCAを回すと、思い込みやバイアスが入り、経験はその人の中に留まります。 全員で行うと、計画の段階で抜け漏れを指摘でき、実行の中で問題を共有できます。また、評価で多角的に検証でき、間違いに早く気づき、修正が早くなります。

また、成功事例が全員に共有され、失敗も再発防止の知識となり、全員のレベルが底上げされます。 品質管理に効くPDCAサイクルを全員で正しく回していきましょう。

 
 BMLフード・サイエンスは、食品の微生物・理化学検査をはじめ、商品の品質検査、飲食店の厨房衛生点検、食品工場監査、衛生管理・品質管理の仕組みづくり、食品安全認証の取得支援まで、ワンストップでサービスを提供できる総合コンサルティング企業です。 長年培ってきた高度な検査技術とノウハウをもとに、質の高い各種検査とコンサルティング事業体制を構築しており、全国を網羅したネットワークにより、スピーディなサービスを提供します。

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こちらのコラムは 第二コンサルティング本部 Aグループ 石見 惣一郎 が担当いたしました。

第二コンサルティング本部では飲食サービス、給食、ホテル、冠婚葬祭などの事業を営むお客さまに対し厨房の衛生点検や、品質管理システムの構築支援、従業員教育などのサービスをご提供しています。 年間40,000店舗以上の点検実績をもとにした衛生コンサルティングサービスにより、お客さまと共に消費者の安心と安全に貢献しています。

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