1. TOP
  2. 最新記事
  3. コラム
  4. 飲食店における食品衛生の目的とは?必要性と対策について解説

飲食店における食品衛生の目的とは?必要性と対策について解説

飲食店における食品衛生の目的とは?必要性と対策について解説

「注文した料理が出てくるのが遅い」
「出てきた料理が間違っていた」
など、飲食店では日々、お客様からさまざまなお申し出が寄せられます。

なかでも深刻なのが、
「料理に異物が混入していた」
「料理を食べたらお腹が痛くなった」
といった、衛生面に関する指摘です。

実際に集団食中毒が発生すれば、賠償責任問題に発展したりお客様の信頼を損ない、最悪の場合、倒産に至る可能性もあります。

こうした事態を回避するには、あらかじめ異物混入や食中毒に対する対策を講じておく必要があります。
この記事では、飲食店における食品衛生の目的や食品衛生対策のポイントをご紹介します。

1.飲食店における、食品衛生の目的とは?

あらためて、なぜ飲食店では食品衛生に取り組む必要があるのでしょうか?

最大の目的はお客様の健康を損なわないためです。飲食店は本来、お客様に食べ物や飲み物を提供し、楽しんでもらう場所であり、食中毒が起きてしまうのでは本末転倒です。

そもそも、飲食店を出店する際は国や自治体の法令や規制に従う必要があります。
「食品衛生法」や「食品衛生法施行令」、「食品衛生法施行規則」、「食品衛生法施行条例」などに則って食品の安全を保つ必要があります。

また、店舗の信頼や評判を維持するためにも食品衛生は重要です。一度、食中毒や異物混入が起きてしまえば、被害にあったお客様や、その事実を聞いたお客様は来店を避けることが少なくないでしょう。食品衛生に取り組むことで食中毒や異物混入を防ぎ、お客様からの信頼や評判を維持することは食品衛生に取り組む目的の一つとなります。

もし、集団食中毒や、重篤な症状に至る食中毒などが発生すれば、原因となった食事を提供していた従業員は自責の念にかられてしまうでしょうし、SNSやマスコミにより大きく情報が広がることで店舗の存続が危ぶまれます。そうなれば、食中毒事故の被害者は元より従業員やその家族の生活を守ることもできなくなってしまいます。従業員やその家族を含めた店舗に関わる全ての人のためにも、食品衛生に取り組むことはとても大切なことだといえます。


2.食中毒は主に飲食店で発生

人が食事をする場面であればどこにでも食中毒のリスクが生じます。
ただ、実際に食中毒が発生した事例は、家庭や学校給食などに比べて飲食店が圧倒的に多いのです。

厚生労働省が発表した「食中毒統計資料」によれば、2022年に発生した食中毒の原因施設のワースト1位は「飲食店(39.5%)」。次いで「不明(30.0%)」、「家庭(13.5%)」と続き、原因施設が判明している食中毒としては、飲食店の割合が際立っています。

なぜ飲食店での食中毒発生件数がこんなにも多いのでしょうか?
まず、食事シーンとして飲食店がそれほどまでに身近なものであることが挙げられるでしょう。

また、製造業や給食業態では同一のメニューを大量に作るため衛生管理が比較的容易なことに対し、飲食店では少量多品種のメニューの調理を行っており、交差汚染が起きやすい環境であることが挙げられます。さらに料理の提供や接客サービス、金銭のやり取りが行われるのと同時に調理を行っていることも交差汚染の危険性を増しています。 家庭での調理と比較すると、家庭では調理直後に喫食される場面が多いのに対し、飲食店は事前に仕込みを行うことが多く、そのために食品の長時間保管が発生していることも原因として考えられます。


3.飲食店で重要な、食品衛生対策ポイント

では、飲食店で食中毒を発生させないためには、どのような対策を行えば良いのでしょうか?
ここでは、食品衛生対策の3つのポイントをお伝えします。


(1)食材の正しい検品と保管

発注先から食材が輸送されてくるまでの間も、「飲食店における、食品衛生の目的とは?」でご紹介したような法規制を遵守した上で食材を扱わなくてはなりません。これを前提とするならば、すべての食材は納品された時点ですべて安全であるということになりますが、実際には劣化してしまった食材が納品されることもあります。

このため、納品時の検品作業が重要な意味を持ちます。検品作業では、発注した品物が数量通りに到着しているかどうかを確認した上で、鮮度や品質を確認しましょう。食材の外観やパッケージの状態、消費期限、匂いなどから不衛生で安全ではないと判断した食材は返品、もしくは処分します。

また、中の食材は衛生的でも、これを運搬してきた段ボールやケースに害虫が付着していたり、有害な細菌やウイルスが付着していたりする可能性があります。
このため、検品作業は厨房から離れた場所で行いましょう。検品後は、食材だけを保管場所へ運び入れ、段ボールやケースをできるかぎり厨房に持ち込まず処分した方が望ましいです。

保管は、食材ごとに適切な温度・湿度に保たれた場所で行います。保管中の異物の混入や匂いの付着などが防止できるよう、密閉可能な蓋つき容器に入れて保管しましょう。

先入れ先出しの原則(FIFO:First in First out)に従って食材を使用できるよう、保存容器にはラベルを付け、食材の種類や賞味期限を管理しやすいようにしておくことをお勧めします。新しいものを後方へ置くようにするとさらに管理しやすくなります。また、日次、週次などのタイミングで店舗内の食材を棚卸しし、期限の切れたものを廃棄し、誤使用につながらないようにしましょう。


(2)厨房の衛生管理を可視化する

食材を調理し、料理に仕上げて提供している厨房では、様々な食材が取り扱われ、かつ調理従事者が食材に接する機会があるために、さまざまな食中毒の発生要因を抱えています。

例えば調理従事者の保菌状況や手洗い不足による食材の汚染、保管中や調理器具を介した食材間での交差汚染、調理施設・機器の清掃不良に起因する汚染、食品の加熱不足などによる殺菌不良が食中毒の発生要因となります。

煩雑な衛生管理を効率よく行うには、厨房での衛生管理を可視化することが大切です。
たとえば、調理や手洗いなどの手順をマニュアル化、時にはイラストなどを加え従業員にとって分かりやすいように周知します。必要性に応じて厨房内でも掲示をすることで、調理従事者がだれであってもマニュアルに沿って安全に調理を実施することができるようにします。
また、保管庫の温度や、食材期限、清掃洗浄など、日常管理が必要なものは、チェックリストとして、確認状況を記録として残して可視化し、異常が起きても早く気付くことができる体制を整えておきましょう。

 

 

(3)飲食スペースの衛生も保つ

食材や料理が衛生的に作られたとしても、飲食スペースが不衛生であれば、お客さまは不快な思いをして食事を楽しむことができず、再度来店につながる機会は少なくなるでしょう。
そうならない為にも、飲食スペースの床や壁、テーブルや椅子、カウンターなどの表面は定期的に拭き上げ、清潔に保っておきましょう。掲示物も定期的に貼り換え、劣化した状態のままで掲示されていることがないようにしましょう。また、意外と見落としがちで、かつお客さまの目に付きやすい場所が天井付近です。エアコンフィルターは定期的に清掃を行い清潔を保ち、照明器具には埃が蓄積していないようにしましょう。

セルフ式の飲食店では、特にお客さまの目に付きやすい備品は注意して清掃・洗浄してください。ドリンクディスペンサーの注ぎ口周辺や、カップの保管場所、サラダバーではトングなどのお客さまの手に触れるものの他に、上部で照らすライトに汚れや埃が蓄積していないか注意してください。お客さまが利用されるゴミ箱は害虫にとってエサが豊富で隠れやすい場所でもあります。営業中は定期的に中身を空にしてお客さまが使いやすい状態を維持するとともに、営業後には隙間や下部にも残渣や汚れが残っていないか確認して、害虫がゴミ箱内で繁殖するのを防ぎましょう。

また、お客さまが利用するトイレや洗面所も定期的に清掃を行ってください。ゴミ箱のゴミは回収し、トイレットペーパーや石鹸、消毒液を補充して常にお客さまが利用できる状況に保つことが必要です。また手洗い設備は排水が詰まっていないかを確認し、適切に排水できていない場合にはラバーカップやパイプクリーナーなどを使い、排水の詰まりを直しましょう。


4.食品コンサルの導入で、食品衛生対策を行う

上でご紹介した以外にも、食品衛生のためには「食中毒予防の3原則」や「HACCP」の取り組みなど、さまざまなアプローチの仕方があります。
しかし、接客や調理、店舗運営といった日々の主要な業務に追われながら、十分な食品衛生管理や食中毒対策を考え、実施していくことは簡単なことではありません。

そこで、食品衛生コンサルティングサービスを利用することも賢い選択肢の一つとなります。

食品衛生コンサルティングサービスとは、飲食店の運営における品質管理や衛生管理に関して専門的な知見を元に支援を行うサービスです。居酒屋やレストラン、ファーストフード、フードコートなど、飲食店の業態毎に「どのようなことに気を付けるべきか」や「どのような対策が効果的か」といったことを豊富な経験をもとにアドバイスを受けることができ、効果的な対策の設置やマニュアル作りに活用頂けます。飲食店では特にマニュアルを作っても店舗へ落とし込むことが大変という声も聞こえます。食品衛生コンサルティングサービスでは、効果的なマニュアル作りのほか、実際に店舗に巡回し、マニュアルに基づいて運営ができているかを確認するサービスも含まれます。店舗従業員に対する食品衛生の研修や教育(トレーニング)に関しても専門コンサルティングならではの効果的な講習が手間なく実施することが可能になります。

 

 

5.まとめ

日本で報告されている食中毒のうち、多くが飲食店で起きています。
その飲食店において、食品衛生面で気を付けるべきポイントとしてこの記事では、食材の正しい検品と保管、厨房の衛生管理の可視化、飲食スペースの衛生を保つ、という視点でご紹介しました。

ただ、接客や調理、店舗運営などの主業務でただでさえ多忙な飲食店にとって、食品衛生の法令や手法を学び、それを店舗のルールに落とし込み、実際に運用することは大変です。そこで外部の食品コンサルティングを利用するのも良い選択肢の一つとして紹介しました。

なお、BMLフード・サイエンスでは、食品業界向けの総合衛生コンサルティングを行っています。食品の微生物・理化学検査、腸内細菌検査から飲食店の厨房衛生点検、食品工場監査、衛生管理・品質管理の仕組み作り、検査・システム構築支援までを総合的に提供しています。 飲食店を経営、運営されていて、食品衛生に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。

詳しくは、「食品コンサル」のページをご覧ください。

BMLフード・サイエンス飲食店アレルギー対策
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コンサルティング、認証取得支援・適合証明、検査サービスに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

資料ダウンロード

お役立ち資料ダウンロード

食品衛生および品質管理に関するトピックを紹介するお役立ち資料を提供しています。

依頼・お問い合わせ

当社サービスに関する依頼・お問い合わせ

コンサルティング、認証取得支援・適合証明、検査サービスに関する幅広いご相談を承ります。

セミナーバナー